はじめまして。てるつぐです。
会社員で働きながら、趣味で音楽制作も行っている者です。実は、私自身も音楽生成AIを使って作曲し、AI sanという歌手としてSpotifyなどで楽曲を公開しています。
2025年8月から開始し今は100曲以上作り、50曲ほど配信しております。※2025年11月5日現在
音楽の未来が、今ここに。実体験で語る「音楽生成AI」の世界
「音楽生成AI」。この言葉を聞いて、あなたはどんな未来を想像しますか?
実は、私自身も音楽生成AIを使って作曲し、Spotifyで楽曲を公開しています。
最初に音楽生成AIに触れたときの衝撃は、今でも忘れられません。「こんなに簡単に、プロレベルの曲が作れてしまうのか…」と。それは、音楽制作の常識が根底から覆される瞬間でした。
この記事では、そんな私のリアルな実体験も交えながら、音楽生成AIの魅力と可能性を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。専門用語はできるだけ使いません。この記事を読み終える頃には、あなたもきっと「自分だけの曲」を作りたくなっているはずです。
そもそも「音楽生成AI」とは?
まずは、「音楽生成AIって、結局なに?」という疑問にお答えします。
音楽生成AIとは、その名の通り、AI(人工知能)が自動で音楽を作ってくれるサービスのことです。
ユーザーが「明るいJ-POP」「切ないピアノ曲」といったイメージをテキスト(プロンプトと呼ばれます)で入力するだけで、AIがメロディ、伴奏、リズム、さらにはボーカル(歌声)まで含んだ楽曲を、わずか数分で生成してくれます。
音楽生成AIでできること
- テキストから作曲: イメージを言葉で伝えるだけで、曲が完成します。
- ボーカル生成: 歌詞を入力すれば、AIが自然な日本語や英語で歌ってくれます。
- BGM制作: 動画やポッドキャストにぴったりのBGMを、シーンに合わせて即座に作成できます。
- メロディ生成: 鼻歌や簡単なフレーズから、キャッチーなメロディを生み出します。
- アレンジ・リミックス: 既存の曲やAIが作った曲を、全く別のジャンルに編曲できます。
従来の作曲との違いとメリット
音楽生成AIの登場で、作曲のハードルは劇的に下がりました。
| 項目 | 従来の作曲 | 音楽生成AI |
| 専門知識 | 音楽理論、楽器スキルが必須 | 不要 |
| 制作時間 | 数時間〜数日 | 数分〜数十分 |
| コスト | 楽器代、スタジオ代など高額 | 無料〜月額数千円 |
| アイデア | 自分の経験や知識に依存 | AIが無限に提案 |
最大のメリットは、音楽の知識や楽器経験がゼロでも、誰でも簡単に「作曲家」になれる点です。
デメリットと注意点
もちろん、音楽生成AIも万能ではありません。人間のトッププロが生み出すような、細かな感情のニュアンスや、独創性あふれる表現を完璧に再現するのはまだ難しい場合があります。
また、最も注意すべきは「著作権」です。生成した曲を商用利用(YouTubeの収益化、販売など)できるかどうかは、サービスごとにルールが異なります。これについては、後ほど詳しく解説します。
失敗しない「音楽生成AI」の選び方|5つの重要ポイント
現在、多くの音楽生成AIサービスが登場しており、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。失敗しないための5つのチェックポイントをご紹介します。
1. レベル:初心者向けか、中級者以上向けか
初心者の方
テキスト入力やクリック操作だけで、直感的に作曲できるサービスがおすすめです。
中級者以上の方
作った曲をさらに細かく編集したい方は、MIDI(音楽データ)での書き出しに対応し、DAW(音楽制作ソフト)と連携できるサービスを選びましょう。
2. 料金:無料で使えるか、有料か
無料プラン: 多くのサービスでお試し利用が可能です。ただし、作れる曲数や時間に制限があったり、商用利用ができなかったりします。
有料プラン: 月額数千円程度で、曲数無制限、高音質、商用利用OKなど、全ての機能が解放されます。
本格的に楽曲制作をしたい方は、著作権もあるため有料プランを検討しましょう。私もSunoの有料プラン(Pro)に入っております。


3. 言語:日本語に対応しているか
海外製のサービスが多いため、操作画面やAIへの指示(プロンプト)が日本語に対応しているかは重要です。特に、日本語の歌詞で歌わせたい場合は、対応ツール(Suno AIなど)を選ぶ必要があります。
4. 権利:商用利用と著作権
生成した楽曲をYouTubeやSNSで公開したり、販売したりしたい場合、「商用利用が可能か」を必ず確認してください。また、生成された曲の「著作権が誰のものになるのか」も、利用規約で必ず確認しましょう。
5. 機能:編集機能は充実しているか
生成された曲を自分好みにカスタマイズしたい場合、以下の機能があるかチェックしましょう。
- セクション別編集: イントロ、Aメロ、サビなどを個別に入れ替えたり、長さを調整できるか。
- 楽器の変更: ドラムを抜いたり、ピアノを加えたりできるか。
- リミックス機能: AIが自動で全く違う雰囲気のアレンジを提案してくれるか。
これらのポイントを踏まえて、自分にぴったりの音楽生成AIを見つけてください。
【徹底比較】おすすめの音楽生成AIツール5選
数ある音楽生成AIの中から、特におすすめの5つを厳選して比較します。あなたに合うツールがきっと見つかります。
1. Suno AI【初心者に一番おすすめ!日本語の歌が作れる】
Suno AIは、今最も注目されている音楽生成AIです。最大の特徴は、日本語の歌詞で、驚くほど自然なボーカル入りの楽曲を生成できる点です。音楽の知識が全くなくても、テキストを入力するだけで、プロが作ったかのようなJ-POPやアニソンが完成します。
| 項目 | 詳細 |
| 特徴 | 日本語の歌詞に完全対応、自然なボーカル生成 |
| 無料プラン | 1日10曲まで作成可能(50クレジット) |
| 有料プラン | Proプラン: 8ドル/月~ |
| 商用利用 | 有料プランでのみ可能 |
| 向いている人 | 日本語のオリジナルソングを作りたい全ての初心者、J-POP好き |
筆者コメント:
私がSpotifyで配信した曲も、主にSuno AIを使っています。「本当にAIが歌ってるの?」と耳を疑うほどボーカルの質が高いです。音楽生成AIの第一歩として、まず試すべきツールだと断言できます。


2. Udio【洋楽好きの本格派!滑らかなボーカルが魅力】
Udioは、Sunoと並んで人気の高い音楽生成AIです。特に、R&B、EDM、ヒップホップといった洋楽系のジャンルで、非常に高いクオリティの楽曲を生成します。ボーカルの表現力が豊かで、グルーヴ感のあるサウンドが特徴です。
| 項目 | 詳細 |
| 特徴 | 滑らかで表現力豊かなボーカル、セクション別編集機能 |
| 無料プラン | 月に25クレジットまで |
| 商用利用 | 現状では非公開(利用規約の確認が必要) |
| 向いている人 | 洋楽(特にR&B、EDM、ヒップホップ)が好きな人 |
Sunoとの違い:
SunoがJ-POPに強いのに対し、Udioは洋楽的なサウンドが得意です。日本語の歌詞も歌えますが、2025年11月時点ではSunoの方が自然な印象です。
3. SOUNDRAW【BGM制作の決定版!日本発・商用OK】
SOUNDRAWは、日本発の音楽生成AIサービスで、動画コンテンツ向けのBGM制作に特化しています。「シーン」「ジャンル」「曲の長さ」などを選ぶだけで、AIが即座に楽曲を提案してくれます。
| 項目 | 詳細 |
| 特徴 | BGM制作に特化、シンプルな操作性、豊富な編集機能 |
| 料金 | 月額11.04ドル~(無料プランあり) |
| 商用利用 | 全てのプランで可能 |
| 著作権 | 完全に著作権フリー |
| 向いている人 | YouTuber、動画クリエイター、ポッドキャスター |
筆者コメント:
とにかく手軽に、クオリティの高いBGMが欲しいニーズに完璧に応えてくれます。著作権を一切気にせず商用利用できる点が、コンテンツ制作者にとって最大の魅力です。
4. AIVA【中級者向け!映画音楽のような壮大な曲に】
AIVAは、250種類以上の音楽スタイルから、壮大なオーケストラ曲や映画のサントラのような楽曲を生成できる、中級者向けのツールです。生成した楽曲をMIDIファイルで書き出し、DAW(音楽制作ソフト)で細かく編集できるのが特徴です。
| 項目 | 詳細 |
| 特徴 | 250種類以上の音楽スタイル、MIDI書き出し対応 |
| 無料プラン | 月に3曲までダウンロード可能 |
| 料金 | 月額11ユーロ~ |
| 向いている人 | 音楽理論をある程度理解している中級者、ゲーム音楽制作者 |
5. Ecrett Music【とにかく簡単!直感操作でBGM作成】
Ecrett Musicも、シンプルな操作性が魅力の初心者向けBGM制作ツールです。「シーン」「ムード」「ジャンル」を選ぶだけで、AIが自動で作曲してくれます。UI(操作画面)が非常に直感的です。
| 項目 | 詳細 |
| 特徴 | 直感的なUI、シーン選択だけで作曲可能 |
| 料金 | 月額7.99ドル~ |
| 向いている人 | とにかく手軽にBGMを作りたい初心者 |
【実践】音楽生成AIで作曲し、SpotifyやAmazon Music、Apple Musicなどで世界に配信した話
ここからは、私自身が音楽生成AI(Suno AI)を使い、作曲未経験からするまでの、具体的なステップとリアルな体験談をお話しします。
Step 1: コンセプトと相棒ツールの決定
まずは「どんな曲を作りたいか」を決めます。私はシナリオライターなので、「物語性のある音楽」をコンセプトにしました。
- コンセプト: 「東京の夜の孤独と希望」「人生の葛藤と未来」
- ツール: 日本語の歌詞で物語を表現できる Suno AI を選択。
Step 2: プロンプトという名の「脚本」作り
Suno AIでの作曲は、AIへの指示書=プロンプト作りから始まります。これは、シナリオ作りと非常によく似ています。


実際に使ったプロンプト例:
「深夜の東京、ネオンの海を歩く孤独な心情。City Pop、Lo-fi Hip Hopの要素。切なくも温かいサウンド。女性ボーカル、ウィスパーボイス気味で。BPMは80くらい。」
このように、具体的なジャンル、情景、ボーカルのイメージ、テンポなどを細かく指定するほど、AIはイメージに近い曲を生成してくれます。
Step 3: AIとの「対話」による編集作業
プロンプトを投入すると、数十秒で2パターンの曲が生成されます。しかし、一発で完璧な曲が生まれることは稀です。
「サビのメロディは良いけど、Aメロが単調だな」
「もっとドラムをタイトにしてほしい」
そう感じたら、Suno AIの歌詞やスタイル、詳細オプションの奇妙さやスタイルの影響などを使って、プロンプトを修正したりします。この試行錯誤のプロセスは、AIと対話しながら理想の形に近づけていく、非常に創造的で楽しい作業でした。
Step 4: 音楽配信サービスで世界へ公開
楽曲が完成したら、いよいよ配信です。「DistroKid」や「TuneCore Japan」といった音楽ディストリビューションサービスを利用すれば、個人でも簡単にSpotifyやApple Musicで楽曲を配信できます。
完成した音源(WAVファイル)とジャケット画像をアップロードし、年間数千円の利用料を支払うだけ。数日で、自分の曲が世界中のストアに並びます。
さらに配信ツールのDistroKidで追加費用で10$を払い、MIXEAにして楽曲をマスタリングすることで、音の質を上げることができます。


ですが、最初はまだ不要です。本当にお気に入りの良い曲ができた時や、力が入ったものができた時にプロ並みの音源で出力されますのでぜひ試してみてください。他のSpotifyの曲とかで聴いているとプロは最大出力の音源を使っていることがわかります。
ウルトラHDで、高品質のWAVの1.5倍は良くなると思います。
見えた可能性:AIは創造性を「拡張」するツール
この体験を通して確信したのは、音楽生成AIは、人間の創造性を奪うものではなく、むしろ拡張してくれるツールだということです。音楽の知識がなくても、頭の中の物語や情景を「音楽」という形で表現できる。これは、私のような物語を作る人間にとって、新たな武器を手に入れた感覚でした。
安全に楽しむために|音楽生成AIの「著作権」と注意点
手軽で強力な音楽生成AIですが、安心して利用するためには、特に「著作権」と「商用利用」に関するルールを正しく理解しておく必要があります。
1. 最重要:商用利用と著作権のルールを確認する
利用するサービスが、生成した楽曲の商用利用を許可しているか、必ず利用規約で確認してください。
Suno AI: 有料プラン(Pro/Premier)に加入すれば、商用利用が可能です。無料プランで生成した楽曲は、商用利用できません。
SOUNDRAW: 全プランで商用利用が可能です。著作権もフリーで、クレジット表記も不要です。
注意:
利用規約は予告なく変更される可能性があります。必ず利用前に最新の規約を確認してください。
2. 配信プラットフォーム(Spotifyなど)の規約も確認
AIで生成した楽曲をSpotifyなどで配信したい場合、DistroKidなどのディストリビューター(配信代行業者)の規約も確認が必要です。
近年、AI生成コンテンツの扱いが厳しくなっており、「AIのみで生成された楽曲は登録を受け付けない」としている場合もあります。この基準は各社で異なるため、事前に確認しましょう。
3. AIのクオリティの限界を理解する
音楽生成AIの進化は速いですが、まだ万能ではありません。「何か物足りない」と感じる場合は、AIが生成したものを「素材」として捉え、DAW(音楽制作ソフト)に取り込んで自分で編集したり、楽器を重ね録りしたりするなど、人間による一手間を加えることで、クオリティは飛躍的に向上します。
4. 他のユーザーと同じ曲が生まれる可能性
AIモデルの特性上、似たようなプロンプトからは、似たような曲が生成される可能性があります。あなたが作った曲とそっくりな曲が、世界のどこかで生まれているかもしれない、という点は理解しておきましょう。
音楽生成AIに関するよくある質問(FAQ)
Q1: 音楽生成AIは、本当に完全無料で使えますか?
A1: はい、多くのサービスで無料プランが提供されています。Suno AIなら1日に10曲まで無料で作曲できます。ただし、無料プランは商用利用不可など機能に制限があるため、お試し用と考えるのが良いでしょう。
Q2: 音楽の知識が全くなくても、本当に曲が作れますか?
A2: はい、全く問題ありません。それが音楽生成AIの最大の魅力です。作りたいイメージを言葉で伝えるだけで、AIが全てを自動で行ってくれます。
Q3: 生成した曲をYouTubeや自分のビジネスに使っても良いですか?
A3: 利用するサービスのライセンス規約によります。 必ず「商用利用」が可能かどうかを確認してください。例えば、SOUNDRAWはOK、Suno AIは有料プランならOKです。
Q4: 生成した曲の著作権は、誰のものになりますか?
A4: これもサービスによって異なります。多くのサービスでは、有料プランに加入することで、生成された楽曲の所有権(著作権)がユーザーに譲渡されると規定されています。ただし、法的な解釈がまだ定まっていないグレーな部分もあるため、規約の確認は必須です。
Q5: 作った曲をSpotifyなどで配信できますか?
A5: はい、可能です。ただし、Q3やQ4で述べた「商用利用」や「著作権」の条件をクリアしていること、さらに「配信代行業者」がAI生成楽曲の登録を許可していることが条件となります。
まとめ
本記事では、音楽生成AIの基礎知識から、おすすめツール、具体的な作曲ステップ、そして重要な注意点まで、網羅的に解説してきました。
音楽生成AIは、専門家だけのものであった「作曲」という行為を、全ての人に解放する革命的なツールです。
この記事を読んで、少しでも「自分もやってみたい」と感じたなら、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。
これらのツールは、いずれも無料でお試しが可能です。
私自身、音楽生成AIと出会ったことで、言葉だけでなく「音」でも物語を語るという、新しい表現の翼を手に入れました。あなたの中にも、まだ音になっていない物語が眠っているはずです。
さあ、あなたも音楽生成AIという名のペンを手に取り、自分だけの曲を世界に奏でてみませんか?
今回の記事を見て参考になったなと思っていただけたら、ぜひSpotifyやAmazon Music、YouTubeなどでも公開しておりますのでフォローして聴いていただけら嬉しいです!

